なんとしても欲しかった優勝旗をついに手に入れることができました。
昨年12月、全国大会をかけた県予選にて四日市ボーイズに敗退してからこれまでの4ヵ月。
苦しく長い冬を乗り越え、28期生初の三重県の頂点へ。
負けたことで強くなれた。
まさにその言葉を体現したようなチームになりました。
初戦 vs伊賀中央ボーイズ
初回は2失点とほろ苦い立ち上がり。
しかし、その裏すぐさま四球やエラーで溜まったランナーをこの日4番を任された2年生関山凌駆㉝、5番藤井健瑠⑫の連続センター前タイムリーで3点を奪い逆転。
4回に逆点を許すもピンチを救ったのは2アウト満塁からマウンドに上がった左腕川村昌大⑪
この冬、最も成長した投手といっても過言ではない。
変則サイドスローで球の出所の見えにくさに加えて、コントロールに磨きがかかったことで信用される投手に成長。
そして、その裏。5番に入った捕手中田大城⑩のセンター前、好リリーフの投手川村自身のライト前で1、3塁のチャンスを作ると打席には代打吉川昊良㉒。
カウント1-1からのフルスイングは美しい弧を描き、霞ケ浦第一球場のライトスタンド一直線!
高校野球でもなかなか見れることのない素晴らしい一撃で一挙3点。
その後は川村が最後まで相手を無得点に抑えてゲームセット。
追う展開の試合を勝ち切った大きな一勝。
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準決勝:四日市ボーイズ。
昨年冬の悔しい敗退をバネにここまでやってきた選手たちが燃えないはずがない一戦。
先発を任された大井悠介⑥が期待に応え4回まで四日市打線をエラー絡みの1点に抑える。
攻撃では初回、先頭打者のキャプテン北陸翔①が出塁してチャンスメイク。
2アウトながら1、3塁の場面で努力の男、藤井健瑠⑫が初戦に続き良いところでタイムリーツーベースヒット。
普段感情を見せない男が2塁ベース上で思わずガッツポーズ。これにはベンチも観客席もこみ上げるものがありました。
その後も前の試合でホームランの吉川によるスクイズや9番伊藤陽③のタイムリーで得点を重ねて4回終わって4-1とリード。
ここから、まさかの展開が待っていました。
5回表から万を持してマウンドに上がったはずの左腕伊藤佑真⑪。
これが思いもよらぬ展開を起こす。
先頭打者をフォアボールで歩かせるとカウントを取りに甘く入った球はさすがに四日市の打者には通用しない。
あれよあれよという間に8失点で4-9と一気に形勢逆転されての大ピンチ。
しかし! ベンチは誰一人諦めていなかった。「絶対勝てる!」そう思わせたのは辛い冬の練習の他に何もありません。
逆転された直後の5回裏。
2番辻慶大⑯が相手のエラーで出塁すると大井が右中間を破るタイムリーツーベース。
5番藤井、6番中田の連続タイムリーで2点追加。
なおも満塁で打席には先ほどの回マウンドに上がってまさかの大量失点を喫した伊藤佑真。
自分の失点は自分で取り返す
初球を狙いすましてレフト戦を襲う走者一掃の3点タイムリースリーベースで一挙大逆転!
さらに続く伊藤陽③もセンター前にはじき返し5回を終え11-9。
続く6回表は伊藤佑真がしっかり立ち直り得点を与えません。
6回裏の攻撃中に既定の試合時間2時間に達してゲームセット。
苦しい戦いをものにして決勝進出。
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決勝戦:三重北ボーイズ
決勝戦はポテンシャルの非常に高い選手をそろえてチームとして初の決勝戦に臨む三重北ボーイズ。
三重北先発左腕森谷君の前に3回まで得点できない我慢の展開。
対する桑員先発は準決勝メイクドラマの左腕伊藤佑真⑪。
こちらも我慢のピッチングで3回までエラーがらみの1失点に抑える。
桑員の得点は4回表。
四球で出塁した辻を一人置いて、バッターは3番大井。
2-2と追い込まれてからの5球目、振りぬいた打球は広い広い白山球場のセンターあわや柵越えの長打。
打球が点々とする間に、辻がホームイン。打った大井もなんとホームインでランニングホームラン!
2-1と逆転に成功。
しかし、その裏ヒットとフォアボール、送りバントでワンアウトランナー2、3塁の場面。
微妙な判断を迫られる打球はサード関山の前に。
うまく捕球したそのあと、無情にもバックホームへの送球が逸れてランナー二人がホームイン。
再び逆転を許し2-3。
観客席は嫌なムードになりかけましたがベンチから聞こえてくる声は「まだいける!絶対勝てる!」とポジティブな姿勢。
後輩のミスを何とか3年生がカバーしようと必死。
しかしなかなか1点が遠いまま最終7回の攻撃へ。
ワンアウトとなった場面で打席には途中出場の井戸田颯①
この学年で一番早く桑員ボーイズ入団を決めたガッツマン。
入団後は怪我にも悩まされ思うように練習ができませんでした。
それでも、サードコーチとして小さな身体から大きな声を出し続けた男。
チームは劣勢の局面で打席に。
井戸田にとってはその場に立っていることが何よりも嬉しくてしかたありませんでした。
ツーストライク追い込まれてからの5球目をしっかりとヘッドを立てて叩き、レフト前にクリーンヒット。
このヒットでチームのボルテージは最高潮。
続くバッター小学校時代から井戸田のチームメイト伊藤陽③は完璧なセーフティバントで相手のミスを誘い、一気に井戸田がホームインで同点!
続くバッターもしっかりとボールを見極めランナーを溜めると決勝点は粘ってもぎ取った途中出場2年生の小谷爽斗㉟四球で押し出し。
続く藤井も四球を選び2点差。5-3で最終回の守りへ。
最後は5回途中からマウンドを任された大井がしっかりと抑えてゲームセット。
念願の優勝旗を手に入れることができました!
守備、打撃、そして走塁 。
長い冬を越える中で積み重ねた練習が実を結んだことが確実に感じられる勝利でした。
コロナ禍で相次いで中止になる大会。
誰よりも試合ができることが当たり前ではないと知る世代。
次はもう全国選手権大会三重県支部予選です。
最大の目標、ボーイズリーグ日本一に向けてさらに練習に磨きをかけます。
これからも応援よろしくお願いいたします!